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決算書作成担当になったけど、細かいルールがわからない…
決算書を作る、説明する業務(経理部、IR部、株主総会担当等)に初めて携わる方に向けて、数字面で気を付けるべきことをご紹介したいと思います。
なお、多くの企業では、何らかの会計ソフトで入力しているので、ミスが出ないと思いますが、ふと会計ソフトの情報を別のプレゼン資料に転記したときなどで誤った表現になりかねないので、その警鐘を兼ねてご覧いただきたいと思います。
アラビア数字は3桁ごとにカンマ(,)で区切ること
1,000や1,000,000などのように1000や1000000と記載せず、3桁ごとにカンマを入れるようにしましょう。
「統計図書館コラム【雑学編】№1010」によると、このカンマはもともと西洋簿記学由来のものであるそうで、これを福沢諭吉がはじめて国内に広めたそうです。それでも、平成一桁の時代にはカンマではなく空白を用いていたようですが、空白だとデータスキャンに支障が出たことやインターネットの普及等を背景に検討を重ね、正式にカンマ「,」を入れるようになったそうです。
カンマで区切ることで桁の省略記号とも一致する
カンマごとに省略記号があります。
例えば、1,000なら1k(thousand,kilo)、1,000,000なら1M(million)、1,000,000,000なら1B(billion)等にも対応しています。
なお、日本の決算説明資料では、k、M、Bを使いつつも「億」を使うケースが見られます。
決算書の桁単位はいくらで記載すべきか。
上場会社の有価証券報告書等を見ると、千円単位、百万円単位等の記載で表示されていますが、実際はどの単位で記載すべきでしょうか。
この点、日本では会社法、金融商品取引法等にはルールが定まっており、その基準に従って記載することになります。
会社法の会社計算規則第57条第1項には、「計算関係書類に係る事項の金額は、一円単位、千円単位又は百万円単位をもって表示するものとする。」との記載があり、例えば、この法令に基づく株主総会招集通知等はこの基準に基づいて作成する必要があります。
また、金融商品取引法の財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第10条の3等には、「財務諸表に掲記される科目その他の事項の金額は、百万円単位又は千円単位をもつて表示するものとする。」と記載されており、有価証券報告書等はこれに従うことになります。
なお、どのような場合に千円単位や百万円単位にそろえるのか明確な基準は確認できませんでしたので、各社独自の基準で対応しているのではないかと思います。
0(ゼロ)なのか―(バー)なのか。
決算書を作成するとき、0と記載されている場合もあれば、-と記載されている場合もありますが、この違いはどのようなものでしょうか。
0を記載するときは、単位が百万円や千円となっており、0百万円や0千円となります。これは0と言いつつも、全く何もないのではなく、1に達しない場合を示すときに使います。
例えば、0百万円なら1から99万9,999円までの可能性があります。
一方で、―については、全くないことを示し、―百万円などにはなりません。
ーは何も数字がないときに用います。
赤字を表す表現として―(マイナス)なのか△(三角)なのか、それとも()なのか。
一般的に学校でマイナス表現を表すときはー1やー100のようになります。しかし、決算書では、△1や△100と表す点にご注意ください。また、英語圏では、(1)や(100)という表現を用います。
なぜ決算書で一般的な「ー」を用いないのかについては、推測ですが、全く何もないことを示す「―」(バー)と区別するためではないかと思われます。
さいごに
このあたりの数字の記載については、その分野に携わっていけば、意味が分からずとも、なんとなく慣れてくるかと思います。しかし、はじめのうちは悩まれる方がいるかと思い、まとめました。ご参考ください。
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