詐欺グラフの嘘に騙されない方法

Excel

どうもこんにちは!

皆さんの中には、他人からプレゼンを受けているとき、じっくりと資料を見ていますか?

それともプレゼンターの話を聞いて資料はあまり確認していないということはありますか?

今回は、じっくりと資料を見ないと騙されてしまう詐欺グラフをご紹介したいと思います。

詐欺グラフというのは、私が適当につけた造語なのですが、そのグラフ自体は真実ではあるものの、プレゼンを見聞きした人が誤解しかねないグラフのこととさせていただきます。

これを見て、騙されないようになっていただきたいのはもちろんのこと、騙す側にもならないよう十分に注意いただきたいと思います。

桁に騙されない

まずは、次のグラフをご覧ください。これはA社とB社の各年の売上高の推移です。

これを見ると、A社は右肩あがりに伸びており、B社は右肩下がりに下落していています。

これを見ると、A社はB社よりも成長していてすごいと考える方は多いのではないでしょうか。

もちろん、成長率の比較であれば、それは正しいです。しかし、よくよくグラフの単位を見ると、A社は百万円単位、B社は億円単位となっており、A社とB社で企業規模がかなり違います

これを同じ単位に直すと次のようなグラフになり、正直なところ、両社とも成長は横ばいに近く見えますし、そもそも、A社はB社と比べて売上高が低すぎて比べものになりません。

読み手側がこのグラフを通してA社とB社の何を知りたいのかを理解しておかないと、ぱっと見の間違った印象に引きずられてしまう可能性があるので、十分に注意しましょう。

そこまで差がないのに差を感じる

つづいて、次のグラフはどうでしょうか。これは、A社の売上高とB社の売上高のグラフです。A社は80億円、B社は100億円となり、大きな差があるように感じませんか。

これに対して、次のグラフはどうでしょうか。先ほどと同じデータを比較したグラフなのですが、思いのほか、A社とB社の売上高の差はないと感じませんか。

これら二つのグラフは前者が目盛りの最低値を高めに設定したものであり、後者が目盛りの最低値を0に設定したものです。仮に、A社が前者のグラフを見て、ライバル視するB社を慮ると、かなりの差があり、B社にはかなわないと感じるかもしれません。一方で、A社が後者のグラフを見て、B社を慮ると、それほど差が大きいものと感じないかもしれません。

これらグラフについて、どちらが良いというものではありませんが、しっかりと数値感覚を持っておかないと正しく分析できない場合があります。ご注意ください。

データのまとめ方がおかしい

では、次のグラフはどうでしょうか。何らかの会員数を年代別に表したグラフです。これを見ると、30~40代のミドル層の会員が多いのではないかと思います。

一方で、同様のデータを用いて、年代ごとにまとめなおしたグラフをお示しします。

この二つのグラフを見て違和感はないでしょうか。前者のグラフでは30~40代が多いと思ったのに、一方で、後者のグラフでは、30代が最も少ない結果になっております。前者は、30代と40代をまとめた数であり、後者は30代と40代がわかれた数になり、この二つのグラフから30代の会員数のイメージもだいぶ変わるかもしれません。

このイメージ差を使った資料は、広告などでよく見かけますので、本質的な数がどうなっているのか十分に注意を払うようにしましょう

データが省略されている

続いて、次の図です。こちらは、会員数が右肩上がりになっている図です。会員数が常に増えているのだろうと錯覚するかもしれません。しかし、横軸を見ると、6月から「~」となり、いきなり10月になっており、その間のデータが示されておりません。

本来であれば、次のような図となり、省略されている期間が減少期間の可能性もあるので省略されているからと言って、とるに足らないものととらえるのではなく、しっかりと数値を確認するようにしましょう

すべて記載されていない

続いて、次の円グラフです。何らかのシェア率の図であり、3つどもえの業界なのだと理解してしまうかもしれません。

しかし、よくよく円グラフの下を見ると、32%がその他となっています。その他が何なのかわからないし、その他の32%はA社の28%よりもだいぶ大きく、驚異の数値かもしれません。その他32%を含めた円グラフにすると、次のようになりその他がどのようなものなのかをはっきりさせる必要が出てくるかと思いますので、このような「その他」の扱いには十分に注意しましょう

3Dデータの見栄えに気をつけろ

さいごに、次のような3Dグラフに注意しましょう。3Dグラフの見え方によっては、画面に対するグラフの占有率と実際の数値の違いにより、一部の数値が大きいにも関わらずグラフ上では小さく見えたり、その逆も起こりえます。十分に注意しましょう。

さいごに

以上のとおりひととおり詐欺グラフをご紹介しました。まずは、プレゼンを受ける方はグラフの見栄えで判断するのではなく、実際の数字で判断したり、本質的にその数値がどのような役割を担っているのか十分に意識し、騙されないようお気を付けください。

また、プレゼン資料を作る方としては、仮に、詐欺グラフであると読み手に思われてしまうと大幅に信用を失いますので、自信が詐欺的グラフを作らないよう意識することをお勧めします。

ご参考になれば幸いです。

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