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「契約書をもらったけど、修正したい。けど、どうやって伝えればよいか。」
法務部等で法律を扱っている方であれば、そう悩むことはないのですが、そうではない方にとっては、ややストレスに感じてしまうのではないでしょうか。
ということで、契約書の修正交渉について、よくある方法について説明したいと思います。
なお、基本的には、どのように修正交渉しても相手方が理解してくれるのであれば問題ありません。
修正パターンまとめ
契約書の修正依頼は大きく分けて次のパターンにわかれます。
1.メールで修正要望を記載する。
2.ワードの契約書に修正履歴とコメントを付ける。
3.契約書とは別でエクセルで修正依頼箇所や質問等をまとめる。
4.修正箇所をまとめた覚書を提案する。
*勿論、他にも方法がありますが、よくあるものとしてまとめています。
メールで記載する。
これは、メールでどの条文をどのように修正してほしいか、理由付で記載する方法です。一番、簡単な方法です。しかし、修正件数が多くなると、長文メールとなり、読みにくく、管理も大変です。1、2件の修正であれば、メールで良いかと思いますが、それ以上になると、別の方法が良いかもしれません。
メリットとしては、メールに直接記載するだけなので簡単です。一方で、デメリットとしては、件数が多くなると、見にくくなるし、どこが修正されたのか管理しにくいところかと思います。
【イメージ図】
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ワードの契約書に修正履歴とコメントを付ける。
これは、ワードの「変更履歴」機能と「コメント」機能を使って、原文の契約書からどのように契約書を修正したのかという履歴を残したうえで、どうして修正したいのかコメントを記載する方法です。
契約書に直接修正を施すため、見やすいし、メールや別のエクセルに修正箇所を記載するよりも、修正箇所の抜け漏れが少なく、ミスが起きにくいです。
難点としては、契約当事者の相手方によっては、意図してかどうなのかわかりませんが、一部「変更履歴」を残さないようにして勝手に修正されてしまうことがあるので、契約書の最終版は、契約の原文から改めて合意の取れた修正文を転記するか、再度、合意の取れた箇所のみ修正されているか確認する必要があります。
【イメージ図】
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また、この場合のワードの使い方については、契約書の変更履歴やコメントをつける方法、消す方法は次のとおりです。
契約書とは別でエクセルで修正依頼箇所や質問等をまとめる。
企業によっては、修正できない設定がされたPDFで契約書を送ってきたり、ワードファイルの修正履歴を嫌うこともあります。その際には、多くの場合、エクセルファイルで修正依頼書を作成し、確認を依頼することになります。そして、エクセル内で修正の合意が取れたら、契約書に直接修正を加えるか、契約書の内容を修正する旨の覚書を作成することになります。
メリットとしては、修正箇所の管理がしやすい点です。一方で、逐一、エクセル表作成の手間等がデメリットかと思います。
【イメージ図】
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なお、契約書修正交渉用のエクセルの作成方法は以下のとおりです。
修正箇所をまとめた覚書を提案する。
契約の相手方によっては、上記のやり方で契約交渉をせずに、いきなり覚書を作って提案してほしいと言われることもあります。
覚書のイメージとしては、以下のとおりです。これに、ワードのコメント機能を使って、修正理由や修正意図を記載します。
【イメージ図】
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最後に
以上が契約書の修正パターンになります。契約書の修正方法は契約書の相手方との関係値によって、いろいろな説明方法や報告方法が求められてきます。臨機応変に対応してください。
本記事がご参考になれば幸いです。
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